BLOG ブログ

iDeCo/NISA/変額保険ってどう違うの?どれが向いている?

iDeCo/NISA/変額保険ってどう違うの?どれが向いている?

【この記事を読んでわかること】

  • ・iDeCo/NISA/変額保険の違いがわかる
  • ・iDeCo/NISA/変額保険のそれぞれのメリット・デメリットがわかる
  • ・iDeCo/NISA/変額保険、それぞれ向いている人がわかる

iDeCo/NISA/変額保険ってどう違うの?どれが向いている?

給料はなかなか上がらないのに、税金や社会保険料は高いし、物価もどんどん上がる…。そう感じている方も多いでしょう。こんな時代にお金を増やすには、お金自身を働かせる資産運用が欠かせません。

そこで今回は、iDeCo/NISA/変額保険という代表的な3つの資産運用のしくみをご紹介します。それぞれの違い、メリットやデメリット、そしてどれがどんな人におすすめか、などを説明します。

iDeCo/NISA/変額保険はどう違う?

iDeCo/NISA/変額保険の主な特徴と違いは次のとおりです。

・iDeCo(イデコ・個人型確定拠出年金)
iDeCoは、毎月掛け金を積み立てて定期預金・保険・投資信託で運用し、その成果を60歳以降に受け取る制度です。毎月の投資金額は5,000円からですが、掛け金の上限は収入や働き方、企業年金の有無などで異なります。

iDeCoは老後の年金の上乗せ、いわゆる「自分年金」として有名です。iDeCoの大きな特徴は、掛け金が全額所得控除(小規模企業共済等掛金控除といいます)になり所得税や住民税が安くなるなど、他の制度と比べて税制優遇が手厚い点です。

・NISA(ニーサ/少額投資非課税制度)
NISAは、投資で得られた利益にかかる税金がゼロになる制度です。投資で得た利益には、通常20.315%の税金がかかります。今年2024年からは制度が改正されました。新NISA制度として「つみたて投資枠」「成長投資枠」の2つの投資枠を利用しながら非課税の投資ができます。一定の金額内にはなりますが、国内外の株式、投資信託、ETFなど幅広い商品に投資をすることができ、非課税かつ無期限で運用できるのが大きな特徴です。

・変額保険
変額保険は、生命保険と資産運用が一緒になった保険です。払い込まれた保険料の一部は「特別勘定」と呼ばれ、投資信託などで保険会社が運用します。そして、万が一のときの死亡保険金や満期保険金、解約返戻金の金額が、特別勘定の運用によって変動します。運用が順調であれば死亡保険金、満期保険金や解約返戻金の金額が増え、逆に運用が不調であれば減ります。ただし、死亡保険金/高度障害保険金には最低保証があります。変額保険は、他の制度と比較して「保障がある点」が大きな特徴と言えます。

iDeCo/NISA/変額保険のメリット・デメリット

iDeCo/NISA/変額保険の概要をおさらいしたところで、次にメリットとデメリットを確認してみましょう。

・iDeCoのメリット・デメリット
iDeCoの最大のメリットは、掛け金を出す時/運用中/受け取り時、という3つのタイミングで税制優遇が受けられる点です。

①掛け金を出す時→掛け金の全額が所得控除になるため、毎年の所得税や住民税が減らせる
②運用中→運用で得られた利益にかかる税金が非課税になる
③受け取り時→「退職所得控除」「公的年金等控除」によって、税金の負担を減らせる

特に大きいポイントが「掛け金を出す時」です。

たとえば、所得税率5%(住民税は一律で10%)の会社員がiDeCoで毎月2万円の掛け金を出したとします。すると、年間の掛け金の合計額(24万円)が所得控除の対象に。それにとって、毎年の所得税が年1万2,000円、住民税が2万4,000円、合計3万6,000円安くなります。仮に30年間掛け金を出したら、税金はトータルで108万円も安くなる計算です。

実はNISA制度には所得控除の制度はありません。変額保険には、掛け金が所得控除(生命保険料控除)になるという特徴はありますが全額ではありません。そのため、節税という点ではiDeCoを活用するのが一番効果があるといえます。

一方でiDeCoの注意点として、原則60歳まで引き出せない点があげられます。急にお金が必要になったとしても、原則60歳まではiDeCoのお金を充てることはできません。とはいえ長期投資という観点から考えれば、お金を引き出せないことはむしろメリットと捉えることもできます。

・NISAのメリット・デメリット
NISA/iDeCo/変額保険は、3つともに運用益が非課税になります。NISAは本年2024年度から制度が恒久化され、非課税期間が無期限となりました。つまり、いつでも自分の好きなタイミングで、期限を気にすることなく資産運用ができるということです。それに加えて、多くの金融機関では毎月1,000円程度、ネット証券などでは100円程度から投資を始めることが可能です。なお、口座開設・維持の費用はかかりません。

iDeCoは、掛け金の最低金額が5000円です。なお、口座開設時や口座管理手数料がかかり、変額保険も商品によりますが運用関係の費用がかかります。

変額保険は保険会社によって様々ですが、月5000円程度からとしているところが多いようです。

スクリーニングに関しては、新NISAのつみたて投資枠は金融庁の定める基準を満たした銘柄のみのラインナップとなります。iDeCo/変額保険でも投資信託に投資ができますが、新NISAのつみたて投資枠のようなスクリーニングはありません。

さらに、新NISAの資産はiDeCoと違い、いつでも引き出すことができます。変額保険も途中で引き出すことはできますが、10年以内に引き出すと解約控除がかかってしまいます。

自由度という点からは新NISAが使い勝手が良いでしょう。ただし「いつでも引き出せる」ことで、NISA制度での長期投資に関してはほとんどの方が失敗してしまうのではないか、といった懸念もあります。

一方で、新NISAにはiDeCoや変額保険にある掛け金が所得控除になる制度はありませんので注意が必要です。

・変額保険のメリット・デメリット
変額保険の特徴は「保険であること」。契約者が亡くなったという場合には、死亡保険金が受け取れるのが大きなメリットです。変額保険の死亡保険金には最低保証があるので、特別勘定での運用成果にかかわらず一定額は受け取れます。さらに、特別勘定の運用成果がよければ、死亡保険金の金額も増えます。iDeCoやNISAと違い、いざというときに死亡保険金を受け取れるのは最大のメリットと言えるでしょう。

また、積立型の保険は一般的に物価が上がるインフレには弱いですが、変額保険は比較的インフレにも対応できる商品といえます。また、毎年の掛け金は生命保険料控除の対象になり、2012年1月以降の新制度の場合だと最大で所得税4万円・住民税2.8万円の所得控除が受けられます。

しかし、特別勘定の運用が不調の場合は解約返戻金の額が少なくなってしまうこともあり、ここは投資信託と似ています。とくに、解約返戻金には最低保証がないので、運用成果がよくないときには解約をすると元本割れするリスクがあります。もっとも、運用成果がよくなければ元本割れするという点はiDeCoやNISAも同様です。

iDeCo/NISA/変額保険が向いている人は?

ここまでお話ししてきた特徴を踏まえ、最後にiDeCo/NISA/変額保険が向いている人をまとめまてみます。

・iDeCoが向いている人

①所得が多い人
②毎月1万円以上投資ができる人
③老後資金を貯めたい人
④貯蓄が苦手な人

iDeCoでは掛け金が所得控除でき、所得税・住民税が安くなります。これは他の2つの制度にはない仕組みであり、このメリットは所得が多い人ほど大きくなります。

また、iDeCoではどの金融機関でも手数料がかかります。掛け金の金額が少ないほど、手数料の負担割合が増えてしまうため、毎月1万円以上は積み立てられるとよいでしょう。

60歳まで引き出せないことをiDeCoのメリットととらえると、半強制的に長期投資を続けたい人、老後資金を貯めたい人や貯蓄が苦手な人にもおすすめできます。

・NISAが向いている人

①毎月の投資金額が少ない人
②老後資金以外のお金を貯めたい人
③投資信託だけでなく、個別株にも投資したい人
④60歳以上など、年齢に関係なく長期投資したい人

毎月の投資可能金額が少ない人にはNISA制度がおすすめです。月1,000円程度の少額からでも投資が始められます。また、お金をいつでも引き出せますので、教育資金・住宅資金など中期的な資産形成をしたい人にも向いています。新NISAでは、つみたて投資枠・成長投資枠を利用して非課税の投資ができるようになります。

また、最長でも65歳未満までしか掛け金が出せないiDeCoとは異なり、恒久化となったNISAは年齢の上限を気にせず、長期投資したい場合にも利用しやすい制度といえます。

・変額保険が向いている人

①保障がほしい人
②生命保険料控除を活用したい人
③保障を得つつ、大きくお金を増やしたい人

変額保険を利用すれば死亡保障や、がんなど大病の際に保険料を保険会社が負担する「払込免除」など、保障を持ちながら資産運用をすることができます。攻めだけではなく、手堅い守りも重視する方にはおすすめです。変額保険での資産運用は特別勘定をご自身で選ぶ程度で、あとは保険会社がやってくれるので手間がかかりません。また、生命保険料控除も受けられるので、毎年の所得税・住民税の負担を減らすこともできます。万が一の保障を持ちながら大きくお金を増やすには、変額保険が有利でしょう。

まとめ

iDeCo/NISA/変額保険の違い、メリットやデメリットなどを紹介しました。どの仕組みも資産運用によってお金が増やせる可能性がありますが、細かな違いがあります。各制度はどれか一つではなく、併用することもできます。資金に余裕のある方は併用も視野に入れつつ、ご自身に合った各制度を検討して長期投資に取り組むことをおすすめします。

CONTACT
お問い合わせ

資産運用や家計についてのご相談、
セミナー開催・提携依頼などは
以下のフォームから
お気軽にお問い合わせくださいませ。